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これ、思った以上に「いい映画」だった。青春の甘酸っぱいセンチメンタルな思い出とか蘇らせて浸ろうかなという感じで行ったんだけど、そういったキラキラした感情よりももっと深く重くグラグラと渦巻く心の底辺みたいなものを思い出させられた気がしてヤラれた感を抱きながら映画館を出た。映像、というかロケーション(オール仙台ロケ?)は緑や水やとにかく綺麗でそれこそキラキラしていたので、視覚から来る美しさとのギャップが余計に若さが齎す残酷さを見せつけているような気すらした。

2世代の時間が交差に表れて、学生時代とオトナになった彼女の子供役を同じ役者が演っていたのだけど(全く同じ顔なのもどうかとちょっとだけ思ったけどw)その子供たちももちろん良かったけど、これはもうおじさんおばさんになったオトナたちがとにかく良かった。さらにその上の世代(おじいさんおばあさんの世代)もまた素晴らしかった。

何しろ一番掴まれたのが、トヨエツと福山の対決?シーン。トヨエツはこの1シーンしか出てないんだけど、私の中に一番強烈に焼き印を残していった。対決と言ってもトヨエツの1本勝ちで、ましゃはただただベコンベコンにやられて帰ってきただけなんだけど。しかもどう考えてもトヨエツが一部の隙もなく悪いのにw あれだけ自信を持って言い切られるとどうもそうかもしれないと思わされてしまう物凄い説得力があって、改めてこの役者さんの上手さ、というか役を全うするとその人物がちゃんと息をしてきて、言いようのない存在感、現実感で説き伏せられるんだという不思議な感覚を味わった。

それと福山氏!完璧なビジュアルの今まではこの人の芝居に心が動かされたことが正直言ってなかったんだけど(これでもデビュー時からのファンw)最近のヨレ具合いいなぁ。。特に今回はこのヨレた感じが本当に素晴らしく、特にトヨエツにやり込められて何も言い返せずにすごすご帰る背中がたまらく良かった。歳を重ねたからこその哀愁?wがこの映画にさらなるリアル、、美しい青春キラキラ映画ではない説得力を与えていた。
そうそう、トヨエツの相手として出てきた中山美穂も出番は少ないけど“現実感”のいちやくを担っていて最近の彼女の中では一番好きだった。今LoveLetterを凄く観たいと思った。

そういえば、いきなり冒頭で木内みどりさんが出てこられて胸がぎゅんとなった。これが遺作になったのだろうか。もちろん哀しいけど、俳優さんはこうして鮮明に生きていた時間が観られることがやっぱり羨ましく貴重なことだなぁと思った。

これは三世代の恋みたいなものが描かれていて、一番上の世代がまた素敵だったんだよなぁ。松さんのお義母さんと英語の先生の関係も好きだった。子供たちに老いらくの恋とか言われちゃってたけど。。あ、それと子供といえば、エンドロールで思い出したけど、松さんの子供役が古谷くんとMEGUMIの子供だったんだよね。随分前にニュースになってて観てる間はすっかり忘れてた。どんな顔だったかなぁw

最初にも言ったけど、とにかくロケーションが本当に綺麗だった。これはぜひ映画館の大きなスクリーンで観てほしい美しさだった。推しの出てる映画しかしたことなかったけどw、仙台へロケ地巡りに行って、その世界に入り込んでみたいと思うほどだった。5年くらい前?に公演で行ったっきりだけど、また行く機会があったらいいな☺️✨